カイロプラクターの選び方
カイロプラクティックは、米国や豪州のように法制化された国では、カイロプラクティック・ドクターは誰もが医学的知識とカイロプラクティックの理論・手法を高いレベルで維持しております。それは、どのカイロプラクティック医院へ行ってもある一定以上のレベルの治療を受けることができることを意味しています。しかし日本国内でカイロプラクティックを受けようとする場合には、いくつか注意すべき点があります。
世界保健機関(WHO)基準・日本カイロプラクティック登録機構のカイロプラクター
もしカイロプラクティックを受けてみようと思った場合、世界保健機関(WHO)基準の教育を受けているかがひとつのポイントとなります。 WHOではカイロプラクティック教育についてのガイドラインを発行しているのです。そして、その基準をクリアしたカイロプラクターは、日本カイロプラクティック登録機構(JCR)に掲載されています。(2021年2月時点提出名簿 約574名のカイロプラクターが登録されています。)毎年この登録カイロプラクターの名簿は、厚生労働省に提出されています。またこの登録カイロプラクターは、米国の国家試験運営機関である全米カイロプラクティック試験委員会の開催する国際カイロプラクティック試験に合格することが求められています。
参考:日本カイロプラクティック登録機構(JCR):WHOのカイロプラクティック教育基準を満たすカイロプラクターを登録する国内の登録機関
参考:国際カイロプラクティック試験委員会(IBCE): 米国の国家試験運営機関である全米カイロプラクティック試験委員会(NBCE)の協力により設立された国際組織
日本のカイロプラクティック
日本ではカイロプラクティックは法制化されていない「民間医療」です。上記のような世界保健機関のガイドラインに沿った教育を受けていないカイロプラクター(もしくは整体師)が3万人はいると言われています。残念ながら日本国内のカイロプラクティック資格制度への対応・整備は大幅に遅れを取っていると言っても過言ではありません。日本国内で法制化されていないため、国家が定める免許や資格が一切不要で、習得している理論や技術のレベルは統一されていないのが現実であります。そんな中、カイロプラクティックの正しい普及活動を行う国内の唯一の国際団体である日本カイロプラクターズ協会は、毎年厚生労働省に国際基準の教育を受けたカイロプラクター名簿を提出しております。
参考 :日本カイロプラクターズ協会(JAC) 1998年3月に設立されたカイロプラクティックの業者団体です。倫理規定を重視し、透明性の高い開かれた組織でWHOガイドラインに準拠した基準の教育を履修した正規のカイロプラクターのみが所属できる団体です。世界保健機関(WHO)の非政府組織(NGO)に加盟している世界カイロプラクティック連合(WFC)へ日本代表団体として1999年に加盟し、世界92ヶ国の代表の総意で決めたWFCの精神と政策を日本に伝え、実践を目指しています。WFCの日本代表として、行政との折衝、国際交流、教育活動、啓蒙活動、科学的研究の実践を通して、我が国におけるカイロプラクティックの業務をWHO基準で発展させ、倫理規定を設けて自主規制を行い、国民が安心してカイロプラクティックを受けられるよう国内でのWHO基準に則った法制化の実現を目指して活動しています。2012年、独立行政法人国民生活センターから安全性と広告に関するガイドラインの作成を要請された後、日本広告審査機構や厚生労働省、消費者庁と連携しながら利用者の安全確保に努めています。また厚生労働省による統合医療推進事業を支援しています。
世界のカイロプラクティック
米国からカイロプラクティックが世界へ広まり、1988年5月に世界カイロプラクティック連合(WFC:World Federation of Chiropractic)が設立されました。現在、88カ国の代表団体が加盟する国際的な職業団体で、WHO(世界保健機関)のNGO(非政府組織)に登録されています。WFCの目的は科学的研究、教育、法制化で各国が情報交換を行い、カイロの基準や職業としてのアイデンティティを守ることにあります。総会(Assembly)および世界大会(Congress)は2年ごとに行われ、総会のない年には役員会が開かれます。役員は世界7つの地区から選出されます。 WFC代表役員はWHOの年次総会、WHA(世界保健総会)へも毎年オブザーバーとして参加しています。1999年から日本代表団体として日本カイロプラクターズ協会(JAC)が加盟しています。WFCはWHOとUNESCOが共同設立した国際医学団体協議会(CIOMS)の準会員に加盟しています。
参考: WFC総会及び世界大会 (PDF)